睡眠専門医 坪田聡さんのコラム [快眠できる「環境づくり」] です。

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快眠できる「環境づくり」

2015/01/30

写真:坪田聡坪田聡
(睡眠専門医)

光と音を制すれば、睡眠を制す

短時間で快眠できる秘訣は、眠る環境づくりにあります。そのポイントは3つです。
1つ目は、暗さ。就寝前のリラックスタイムは、100~300ルクスぐらいの暗めの照明に設定し、寝るときは、真っ暗にするか月明かり程度の暗さにすると理想的です。
2つ目は、色。緑や青がリラックス効果の高い色です。特に青は、寒色系の中でも鎮静作用が高く、心と体を落ち着かせてくれます。
3つ目は、音。睡眠時、人は音に対してかなり敏感になります。理想は図書館並の静けさです。40デジベルを超えると眠りに悪い影響を与えます。エアコンや温風ヒーターも積極的に使うべきですが、40デジベルを超えるものもあるので、音量は確認したほうが良いでしょう。
人間の体内時計は、24~25時間の周期で動いていると言われています。ところが1日は、24時間周期で動いており、どうしても体内時計とのズレが生じます。規則正しい生活をするには、体内時計をリセットする必要があります。その方法は簡単。毎朝、太陽の光を浴びることです。光を浴びると、体と脳は、朝を覚醒する時間だと認識します。
なお、夜の蛍光灯は要注意です。コンビニなどついつい行ってしまいがちですが、体感的に昼間だと間違えてしまうので、睡眠に影響が出ます。特に青い光は、目を覚まさせる作用があるので部屋でも間接照明にするか各メーカーの情報を参考に選ぶと良いでしょう。

寝る以外何もしない空間づくりを

快眠を実現する理想的な枕の高さは、6~10cmが快適と言われています。そして寝返りを打った時も、頭の位置が安定し、良い睡眠姿勢を保てる平べったい形状の枕がいいでしょう。先ほど述べた光や色、音などの条件を整備することと併せて、取り組んでみてください。
寝る環境づくりができたら、体に「布団は寝るところ」という条件づけをするようにしましょう。布団に入っても、つい長時間スマホを見てしまったり、本を読んだり音楽を聴いてしまっては、なかなか寝つきはよくなりません。眠くなったら布団に入り、眠くなかったら布団から出るよう意識することで、布団に入れば自然と眠りに入れる良いクセが、身につけられます。

坪田聡

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