睡眠専門医 坪田聡さんのコラム [快眠できる「カラダづくり」] です。

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快眠できる「カラダづくり」

2015/01/28

写真:坪田聡坪田聡
(睡眠専門医)

しっかり疲れておくことが快眠のカギ

快眠の基本は、しっかり体と心を昼間に疲れさせておくことです。その疲れを回復させるための行為が睡眠だからです。現代人は生活が便利になり、たくさんの恩恵を受けています。その反面、体への弊害も増えました。24時間営業の店が増え、夜でも明かりに晒されて眠る環境とは言い難い状態です。だからこそ、意識的に体を疲れさせることが必要です。
体を疲れさせるための運動の目安は、週5回、各30分です。手軽に取り組める分量かと思います。ジムに通ってもいいですし、毎朝の通勤時にひと駅手前で降りて、歩いてもいいでしょう。
また、安眠に導くには、不安を取り除きリラックスすることが大切です。適度なストレッチを行ない、体と心のストレスをOFFすると良いでしょう。

ダイエットと睡眠の関係

睡眠時間と肥満とは密接な関係があります。睡眠不足は、痩せられない体質の原因にもなるのです。
睡眠時間が短いと満腹ホルモンが減り、空腹ホルモンが増えます。すると体が飢餓状態だと認識し、たくさんカロリーを吸収しようとします。その結果、体が高カロリーなものを欲し、肥満になりやすいのです。また、長く起きているとつい食べてしまって、夜間のエネルギー消費を鈍らせます。不眠による疲れや不調で昼間の活動量が減り、余計にカロリー消費を抑えてしまいます。
なるべく眠る前3時間の食事は避け、消費しやすい日中にカロリーをとり、カロリーを効率よく消費できる体質を目指しましょう。

さわやかな目覚めと良質な寝返りを手に入れましょう

低血圧、低体温、低血糖の方が、朝気持ちよく目覚めるには、体を動かし体温を上げることをおすすめします。長いあいだ横になってこわばってしまった体をほぐし、血流を良くして体温をあげ、体自体が目覚めることが大切です。方法は、簡単なストレッチやアイソメトリックスがいいでしょう。肩こりや腰痛予防にもなり、ひいては夜の寝返りが打ちやすい体づくりにもつながりますので、是非、毎日のケアに採り入れてみてください。

坪田聡

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